「1ポンドの福音」第4話

先週より話がシンプルになった。シンプルになった分、ジムの先輩や後輩の面々のキャラが見えるシーンが増えて、まとまりのある印象でよかったと思う。1話でも思ったけど、耕作とジムの人たちの関係ってほっこりとなかなかいい感じなので、そういうシーンが見たいな。石坂さんがたくさんしゃべってる!というのがうれしい回でした(笑)。


め、面倒くさい男…!これリアルタイムで見た時は、心底面倒な男…頼むから、1分でいいから考えてから行動して!が読後感(?)だった(笑)。1000歩走って、そっからいきなり方向転換して斜めに500歩走って、300歩走って、700くらい行き過ぎて、最終的に最初の地点から100歩しか前に進めてないとしても、それだけの使うエネルギーが全部魅力的に見えるのが耕作のキャラなのかもしれない。その無駄が全部なくなったらぶっちぎりだけど、そもそもそんなにエネルギーのある人間ていないんだよ。それだけですごい才能ですよね。だからあんなに食べるのかもしれないけど(笑)。

一人で行ったり戻ったりしてるのが、巻き込まれた人はたまったもんじゃないけど、それが結果的に一人時間差?ギャップ?攻撃になっていて知らず知らず惹きこまれているような気がする。これに好かれて嫌悪することなく、むしろ惹かれていくシスターってこれと同等の天然さなんじゃないか…。なのでアンジェラの方にもコミカルな演出が必要なんじゃないのかなぁと思ったり。耕作のように、ハズした行動の後にワンテンポ空白をおくとか、効果音を入れるとか。

次の対戦相手の話をする会長。ワインレッドという色が個人的にすごく好きな色なので、この色の服を着てる人というだけで好感度があがってしまう単純な私…。耕作のこの服ほしい(いつ着る気)しかもこのシーンの耕作くん、お顔もかっこいいね。

動体視力の話のシーン、耕作の無邪気なところと本当に才能はあるんだというところが分かるいいシーンだったと思う。「才能はあるけど根性なし」ていうキャラ設定の、才能の部分が今までいまいち見えづらかったので。才能っていうか身体能力は高いんだなぁということが分かる。食べ物があるから見えるっていうのはいかにもコミックっぽいけど面白いからいいですよね。

シスターにお見合いという非常識さが…これって普通に笑えるところ?破天荒すぎてついていけないんですが、原作ではどうやってもっていってるんだろう。でもコミックだとそこまでおかしく見えないんだろうなぁ…こういうのって。

教会でシスターに「迷惑です」と言われて微妙に落ち込む仕草をする耕作。この微妙な表情と仕草、いいですね(笑)。かわいい。
冷静に考えたらなんというストーカー行為…あなたに言われる筋合い全くないんですけど!という行動なんだけど、なんかこの耕作だとそこまで気持ち悪くならない。「後ろめたいところがないなら」とか恋人でもない男に言われたら気持ち悪すぎるけど、耕作→アンジェラだと単にアンジェラが「後ろめたいところなどありません!」とつい同じペースで言い返してしまう無意識の煽り(笑)みたいになっていて全然じめじめした感じにならないのがいい。
シスター・ミリーに見つかって「大丈夫です」って…「大丈夫です」ってなんだよ(笑)。捨てられた子犬のような目でシスターと御曹司を見つめる耕作。シスター・ミリーと耕作のコンビってなんかいいなという気がするシーン。
しかしアンジェラはモテるなぁ…本人にその気がないのでかわいそうな状況でしかないんだけど。そもそもシスターでしかもあの美人顔だったらものすごく近づきにくい高嶺の花だと思うのに、どいつもこいつも簡単に踏み越えてき過ぎ(笑)。耕作だけだったら「耕作だからな」で耕作のキャラが立っていいところなのに、今度の坊ちゃんは世間知らずだけど一応相手がシスターということで悩んだりしそうなのにそこは全然しないんだな…というところが見ていて不自然だと思った。(と思ったら最後にオチが待っていた)

教会前での対面シーン。おお、このいかにもな坊ちゃん顔の御曹司と並ぶと耕作…野生的な顔立ちなのが際立つなぁ…。なんだこいつ?という目で見ていたのに、次の瞬間食べ物につられて手を伸ばすところはすごく耕作らしい。よく今まで誘拐されずに生きてきたねこの人…。

「洋服とか超オシャレだし」って、そういうことを一応気にしたりするんだ…と思って新鮮なセリフ(笑)。

ラブレターを書くのに集まってくれるみんな…。石坂さんに、勝巳くんまでいるじゃないですか!いいなぁこれ、こういうの!(笑)。部屋にらんま1/2があるよ。「思いの丈?…わかんない」(即答)は、机に向かってアタマを使うのが苦手ということを強調して、次からの調理師試験の勉強するところの凄さみたいのを出そうとしているのだろうか。

みんなに協力してもらって書いた手紙を渡しに教会に向かう耕作。プレゼントを持ってきた御曹司を見つけてサンドイッチに手を出す。ライバルとの抗争なのに兄弟喧嘩みたいです。耕作は悲恋でもライバル登場でも、相手とじめじめした感じにならないのは、見てていいなと思う。

「だってこれ食べたらシスターこいつのこと好きになっちゃうかもしれないじゃないですか」「なりません!」何気にひどいアンジェラ(笑)。それ聞いてふにゃって顔になる耕作がかわいいね…。やっぱり兄弟喧嘩みたいな二人。「あなたに会うと、私の心が乱れてしまうのです」はものすごい告白だと思うのですが、3人とも気付いてないっぽいのがうける。これで気付かない御曹司も、さすがあんだけ言われても傷つかないだけあってかなり天然ですよね。

ジムまで来た御曹司を見て、驚く耕作。私は演劇とか演技とか自分でやるのは苦手で、進んでやろうと思ったことはないのですが、大学の部活でちょっとだけかじったというか教えてもらったことがあるんです。その時に「キャラ作り」について少しだけ聞いたんだけど、キャラというのを作っていく過程でそのキャラならではのクセとか決まってする仕草みたいなのを作るとキャラ付けしやすいよって言われて、例えばだけど分かりやすいのだと神経質な役どころなら貧乏揺すりや爪をかむのをクセっていうことにしてみるとか、そういうのですね。耕作の驚くところを見てそれを思い出したんですが、耕作は何かを見て、一度目を逸らしてから目を見開いたりぱちぱちしながらもう一度見直すっていう驚き方をしますよね。これって「耕作の驚き方」なんだと思う。コミカルな感じが出てるし、目を見開くのもすごく大げさに「驚いてる!」って感じが表現できていて、いいなと思いました。亀梨くん、普段からこんな驚き方はしてませんよね?他の役の時にはこういう演技したことありますか?(私が知らないだけかもしれないので…)
これまでの役では演技に見えない「自然な演技」というのをたぶん意識していたと思うのですが、今回はコミックからのキャラクター、しかも人となりも普通にはいない類の人間、という耕作を、大げさでコミカルなアクションでキャラ作りしていこうとしてるんだなぁと思えるところだと思いました。ありえない展開や設定は、同じくありえなく見える演技で納得させられるものじゃないかなと思うので。当然のことながらその「演技」がいかにも大根では話にならないわけですが、その点は亀梨くんは問題ないのではないかと思います。展開、もしくは演技だけが浮くことがドラマでは最も恐いことではないかと…(そういう意味で前回の落ち込む演技は違和感あって恐かった)。演技と展開のテンションが一致していれば、こういうノリなんだなぁって笑えるドラマになると思うんです。コミック原作のコメディなんだからね。

目の前まで行ってメンチ切ってから腰を落として構えるようにしたのは、身長差を分かりにくくするため?それとも「見上げる」状況をより際立たせるため?7万で威張る耕作はほんと…世間を知らないんだなぁと…愛すべき馬鹿っぷりです。アンジェラと耕作って、小さい頃からずっと修道会の敷地で育ってきたアンジェラはもちろんだけど耕作もずっとジムの敷地内に住んでて(その前は何してたのか分からないけど)同じくらい世界の狭い世間知らず同士なんですよね。そして御曹司にはみんなヤな印象を持った様子…(笑)。耕作はジムのみんなに励まされてうれしそうな顔。この表情いいですね!
「自分のやり方」がどうしてボクシングに向かないであさっての方向に突っ走るのか…決意して翌日にはスタートダッシュのその行動力だけは尊敬しますが、君1話で「俺やっぱりボクシングが好きです!」って言ってなかったか。どうしてそうなるの?やっぱりまだ ボクシングが好きです<シスターが好きです ってことなのか。そうなんだろうな…。


「店やります!」「ねぇ…本気なの耕作さん」
毎度毎度巻き込まれるジムの皆様方。ショックを受けている風の勝巳が、耕作のボクシングが好きなんだなぁって思えて良いセリフだと思う。「仇討つの忘れちゃったのかなぁ」ってセリフもなんかいいな。あんなにアホな耕作でも、ジムのみんなは諦めないんだね。

偶然シスターを見かける耕作。足速っ!自転車に余裕で追いついてしまうコミカルな感じが面白く見られるシーンでした。こういう無茶苦茶さは見ててイライラしないんだけど…。

「余計なお世話です」「それはあなたの勝手です」アンジェラのセリフは的確すぎて同意の一言です(笑)。

三品食堂で、泣きつく相手は勝巳くん(笑)。兄弟みたいでいいですよねこの二人。「なんでなの。なんで思いついたらすぐやれるわけ?」このセリフにも同意。勝巳くんは視聴者の視点代表、みたいな感じですね。アンジェラはちょっと天然入ってるけど、彼は完全にこっち側の人です。

「ダメ?」「だめじゃないけど」「ダメじゃないけど…(涙)」この言い方かわいいなぁ。私は亀梨くんのかすれた声に非常に弱いのでかなり贔屓が入ってるかもしれないけど(笑)、ここのシーンいいなぁ。今回の落ち込み方はすごくいいと思う。前回、落ち込み方がコメディにそぐわない湿っぽさと書いたけど、今回のこの捨てられた子犬のような落ち込み方はすごくいいと思います。ドラマ全体のテンションに合ってるんですよ。

要するに、シスターはボクシングやってる耕作さんが好きなんだよ」やっぱり勝巳くんはすごいキーパーソンだったという。それを言ってくれてありがとう勝巳くん…!というセリフでした。

「やっぱすげぇな」ですよね(笑)。

修道院でのシスターのお食事のシーン、シスター・グレイスがかわいい。食べてるところが幸せそう、というのは耕作と被らせるっていうシーンでしょうか。時計のゾロ目の気持ちは分かります。デジタル時計で12:34、56秒とか見るとラッキーって気分になるよネ(笑)。

やっぱりボクシングに戻る耕作。こんな無茶苦茶にもみんな慣れっこなんでしょうか…その割には耕作が辞めちゃったことをけっこう真剣に残念がってたから、やっぱりみんな耕作が心配なんでしょうね。「早く着替えてきな」「はい!」の耕作の笑顔、すごくいい。

レストランにプレゼントを返しに来て、厨房で落ち込む若王子を見つけるアンジェラ。「だめなんですよ。一人じゃなにもできないんです」一応努力した痕跡はあるものの、そこに座って落ち込んで愚痴を言うだけの若王子は耕作とは正反対の性格に見える。アンジェラってしずかちゃんタイプなのかなぁ…だめんずですよね。シスターだし、困ってる人を放っておけないっていう性格なのだろうけど、男が絡むとそれだけじゃ済まされない面倒さをもちろんシスターだから分かってません(笑)。同情で手を貸したらいけないよ…。でもそう考えると人の役に立ちたいと思うアンジェラは、助けなんてなくても一人で突っ走っていく耕作よりもこの坊ちゃんの方が合ってるのかもしれません。なんたって耕作は誤解してる自分を見て正直に話そうとした若王子の言葉を遮って

「幸せになって下さい。さよなら」

とか自己完結して去っていく爆走野郎です。アンジェラの様子から、きっとアンジェラの気持ちに気付いたであろう若王子。耕作の落として行った手紙をポケットにしまう。このあたりは、若王子が普通の真っ当な人間の感覚を持っているんだなということが分かる、むしろアンジェラの気持ちに気付くところなんかは繊細にすら見えるシーンでした。最初からこういうキャラとして若王子を登場させていれば、溢れるエネルギーでガンガン突っ走る耕作と、繊細なお坊ちゃんというキャラの対比で面白かったと思うんですけど、取っ掛かりがシスターとのお見合いとかいうわけわかんないとことから始まっているからいきなり大量にサンドイッチ持ってきたり「好きになりません!」とか宣言されても少しも落ち込んだ素振りすら見せなかったり若王子まで天然入ったキャラになっていてなんだからよくわからないんだよなぁ…。それとももしかして若王子は初めからこういう繊細なキャラだったのに突っ走る耕作に引きずられて天然に見えていたのだろうか…教会前での兄弟喧嘩とか(笑)。まぁでも最後にはこいつもちょっとずれたお坊ちゃんだったってことがわかるのですが。


「シスターアンジェラを諦めることにしました!」やっぱり今回の落ち込む演技はいい!すごく落ち込んでて悲しそうな感じなのに湿っぽ感じはしないよ。他のシーンの演技とテンションが合ってきていて、すごくどの演技も溶け込んで自然に見えるのですね。身体作りにしても、回を追うごとに良くなっていくように見えるのはすごく「次の演技を見たい」と思わせていいなぁと思います。亀梨くんはいつもそういう期待を持たせてくれる役者だと思うんですよね。

耕作を見守ってくれるジムの面々もいいね。この夜のジムのシーンいいなー。「昨日、おにぎり食べちゃったんですよね」のあとみんなが突然動き出すとこも面白いし(笑)。

アンジェラは部屋で耕作のことを思い出す。
『シスター。幸せになってください。さよなら』
あの耕作の表情、言い方、切なくてすごくいいですよね。回想されると切なさが増します。アンジェラ、分かってるなぁ。回想ポイントが(笑)。

練習に打ち込む耕作の、この髪型いいなー。セットもなにもしてないのに、揺れる髪がすごくかっこいいよ。スポーツ少年。

そして若王子も自分でちゃんと努力しています。今回の焦点になった2人がそれぞれ自分の道で努力してるっていうのが分かる、終盤に向けて勢いのつくシーンだと思いました。テンポがありますよね。坊ちゃんもいいやつなんだよね。そして「これ、落としていかれました。今まで渡せなくてすみません」と、アンジェラに耕作が落としていった手紙を渡します。潔い去り際の若王子。それでも、
「あの方は私の心を乱すだけなのです」に対しては「シスター、それは…。なんでもないです」と答えは教えてあげません(笑)。やっぱり諦めるとはいえ恋敵に塩は送らないよ、ということなのか、シスター本人が気付くまで他人が言うべきではないと思ったのか、どちらにしろ余韻の残るいいシーンじゃないですかね。こいつがもっとニヒルなキャラだったらもっと際立ったのかもしれませんが(笑)。

手紙はなんという耕作らしい文面ですかこれ(笑)。

試合前、先輩の上田と話す耕作。亀梨くんは黒目が大きいのかな。髪が黒いと瞳も強調されるのか、目の力が印象的だと思う。特に相手を睨んだりしているわけではない、先輩との会話のシーンなのに、すごく目が強くて試合前でテンションが高まって研ぎ澄まされた感じがよく伝わってくる気がする。上田は自分の試合ではないから、むしろ試合に向かう後輩の耕作をリラックスさせるような話し方をする。耕作はまさに自分の試合の直前で、神経を高めていきながら、でも冷静に自分をコントロールできるようにとその狭間で会話をする。こういうシーンって難しいんじゃないかと思う。どちらも同じテンションで睨みあう、試合や喧嘩のシーンなら力いっぱいギラギラと睨みつけることで殺伐としたテンションを表せばいいけど、このシーンはまず自分と自分以外の周りとのテンションが違うし、試合前の選手から自ずと発散されるエネルギーやオーラを表現しないといけないし。私は前述の通り演劇のことなど何も分からず単に見ている側として言っているわけなので、もしかしたら会話の相手とのテンションが違うという設定の方が演じ分け易いのかもしれませんが、ここでは止まることなく細かく体を動かしたり、この時の口調に似合わず力強い眼を持った耕作の表情で、テンションがいい感じに高まってる臨戦体勢の感じが出てると思いました。


集まってきてエールをくれるジムのみんな、いいね。会場に入っていくシーンかっこよかったのに、次の瞬間には試合が終わってるという…。まぁ、変に短い試合のシーンが出るよりはいいか…。

さ、飯食って帰ろうぜ!と言ってみんなで出ようとしたらそこにはシスター・アンジェラが。このあたりのジムの面々もなんかすごくいい感じ。本当、今回かジムのみんなの出番が多くていいなぁと思います。石坂さんまでなんかコミカルな動き(笑)。シスターに気付いてカバンを取り落とす耕作。驚いて目がくりくりしてかわいいなぁ。

「これからも好きでいていいですか」
こういわれたらなんと答えたらいいんだろう。少なくともアンジェラは以前は「あなたがそういう目で私を見る限り、お会いできません」と言っていたのに、今回は「あ、時計の針が重なる…」で微笑んでくれています。天然なアンジェラにしか許されないようなセリフですが、耕作もその微笑みにあてられてしまったみたい。その後の照れくさそうにうれしそうに笑う耕作といい2人の間に流れる雰囲気といい、ちょっとは進展したんだなぁと思える、もどかしいけどかわいいシーンでした。このカップルかわいいなぁ。


試合直前の耕作だったらもう諦めて渡さない(さよならって言ってしまった後なので渡せない)であろう試合のチケットと手紙が、時間差で届くのはいいと思いました。「さよなら。幸せになってください」なんて言って去っていった、自分もその後その寂しそうな笑みを思い出してしまうような人からのものだったら行ってしまうよね。しつこくまとわりついて、居るのが当たり前になってた人が突然去っていった時の寂しさ、という無意識「押してだめなら引いてみろ」一人時間差攻撃。でした(笑)。

最後の耕作が料理を出すシーンでは、勝巳くんは、ジムのみんなと一緒にいるようになったんだなぁと思いました。今度は試合の時も一人ではなくジムの人たちと見てたりするかな。


次回、石坂さんになにが?!